変電所が、考える電力網へ。
閉域型HAIデータセンターが実装する、AIスマートグリッド。
- データ収集周期3秒毎※設計値
- 制御遅延5ms以内※設計値
- 受電容量最大+40%※当社試算
ひとつの系統として設計する
本システムは、電力会社の既存インフラの階層構造に合致する形でハードウェアを配置します。
- 中央監視拠点:マスターAIクラスタ ── 4ラック×2セットの完全冗長構成(アクティブ・アクティブ)※設計値。全域の統合ガバナンス、マクロな需要予測モデルの統括更新、変電所AI間の協調制御を担います。
- 各変電所:エッジAIノード ── 各1ラックを設置。管轄エリアのスマートメーターデータをリアルタイム処理し、隣接する変電所のエッジAI同士がP2Pで連携する「メッシュネットワーク」を構成します。
- 需要家:スマートメーター ── 電流・電圧の変動データを3秒毎※設計値に最寄りの変電所エッジAIへ送信し、AIからの制御要請(ピークカット要請等)を受信します。
- ① 3秒毎データ収集
各需要家のスマートメーターから電流・電圧データを3秒毎に収集します。※設計値
- ② ミリ秒推論・5分先予測
変電所のエッジAIが、受信からミリ秒単位で「5分先の過負荷・電圧異常」を予測します。※設計値
- ③ 自律制御
近隣のEV充電器への出力調整、家庭用蓄電池の充放電制御を自動送信します(データ受信から制御コマンド発行まで5ms以内 ※設計値)。
- ④ ピークカット完結
配電線全体の負荷平準化が、人の操作を介さず完結します。
変電所ノードの停止時は、メッシュネットワークが数秒で経路を再構成し、孤立エリアのAIがマイクログリッドとして自立を維持します。
分野別ソリューション
電力会社・製造業・自治体・データセンター事業者。分野ごとの課題に応じた構成と導入効果をご紹介します。
電力会社様へ
大規模な設備増強によらない系統安定化と、変電所資産の新しい収益化へ。
- 既存系統のまま受電容量 最大+40%※当社試算
- 配電運用の自動化により停電時間 数分→数ミリ秒〜数秒※当社試算(設計目標)
- 余剰エッジ計算リソース(約60〜70%※当社試算)のMEC事業化
工場・製造業様へ
受電容量の制約、電力コスト、工場内AIの低遅延処理。エネルギーと計算基盤を、一体で設計します。
- 自家消費型太陽光×蓄電池(ESS)×エッジAIの統合パッケージ
- 生産データを構内で完結処理(閉域設計)
- RE100・省エネの文脈に対応
自治体・スマートシティご担当者様へ
災害時にも地域で自立し続ける、閉域型のAI基盤。
- 災害時に孤立エリアをマイクログリッドとして自立維持する設計
- 住民データは域内で完結(データ主権)
- 地域向け超低遅延計算基盤(MEC)
データセンター事業者・AIインフラご担当者様へ
エッジAI時代の分散型計算基盤を、電力の現場から設計します。
- 35kW/ラック※設計値の高密度実装
- PUE 1.15以下※設計値
エッジ計算リソースの活用(MEC)
変電所に設置されたエッジAIの計算能力のうち、電力制御に使用していない余剰AIリソース(約60〜70%※当社試算)を、自動運転のシミュレーション、5G/6Gの超低遅延通信、地域のローカルAI処理向けに提供する事業モデルです。
5つの導入メリット
効果は、仕組みで説明する。数値はすべて前提条件付きの試算(※当社試算)として示します。
系統安定化コストの低減
受電容量 最大+40%※当社試算
各変電所のエッジAIがスマートメーターと連動し、数秒単位のデマンドレスポンスと蓄電池制御で、大規模なハードウェア投資によらず既存系統のまま受電容量を拡大します。
送電ロスの低減
平均1.5〜2.5%削減※当社試算
エッジAIが管内の負荷バランスを常時評価し、自動開閉器の最適制御で配電トポロジーを動的に切り替え、送電損失を低減します。
配電運用の自動化
停電時間 数分 → 数ミリ秒〜数秒※当社試算(設計目標)
事故時には、メッシュ状のAI同士が事故区間をミリ秒単位でセグメント隔離し、健全区間への自動融通ルートを構築します。
外部クラウド費用の構造的削減
10年TCO 最大65%削減※当社試算
オンプレミスでシステムを完結させることで、継続的に発生する転送・計算費用を、定額保守費用を中心とする費用構造へ転換します。
エッジ計算リソースの外部提供(MEC)
余剰リソース 約60〜70%※当社試算
電力制御に使用していない余剰リソースを、自動運転や5G/6G、地域のローカルAI処理向けの低遅延エッジ計算リソースとして提供します。
つながらない、という設計。
社会インフラである電力系統において、最も避けるべき事態は、外部からの不正アクセスに起因する広域停電です。近年のクラウド依存型システムでは、インターネットゲートウェイや認証の不備を突く攻撃が現実的なリスクとなっています。
本システムの設計原則は、「守る」より先に、そもそも到達経路を作らないことです。エッジAIネットワークは、公衆クラウドおよび一般のインターネット網へ接続するための経路を物理的に持たない構成で完結します。データ収集からAI推論・学習、制御コマンドの発行まで、すべての計算プロセスが、お客様の自社保有インフラ(専用光ファイバー、自社系統通信網、エッジAI内部)の中で行われます。
- 物理的隔離(エアギャップ(Air-Gapped)構成)
- インターネットから物理的に分離された独立インフラです。外部に公開されたIPアドレスを持たない構成により、遠隔からの攻撃対象領域(アタックサーフェス)を設計段階で排除します。
- ハードウェア暗号によるP2P通信
- 中央監視拠点のエッジAIと各変電所のエッジAI間の通信は、TPM 2.0準拠のハードウェア暗号化チップを用いた専用のP2Pプロトコルで保護されます。暗号鍵はハードウェア内で管理され、回線上のデータは常時暗号化されます。
- 閉域ループ型モデル配布
- AIモデルの更新は、外部サーバーからの自動ダウンロードを行いません。閉域網内のマスターエッジAIで生成した差分データのみを閉域配信する設計により、外部ダウンロードに起因するサプライチェーン型攻撃の主要経路を設計段階で持たない構成としています。
導入の流れ — PoCから全域展開まで
広域の配電ネットワークへの導入は、混乱なく、安全に、段階を踏んで行います。当社は以下の3フェーズを標準的な導入方法論としています。期間はいずれも標準的な想定であり、対象規模・既存システム構成により変動します。
- Phase 1 ── コア構築とPoC(約10ヶ月)
中央監視拠点にマスターAIクラスタ(4ラック×2セット※設計値)を設置し、モデル変電所(数カ所)にエッジユニットを設置。限定エリアのスマートメーター群と接続します。この期間、実際の配電制御は行いません。既存システムと並行稼働(シャドーラン)させ、AIによる需給予測の精度を検証します。
- Phase 2 ── エリア展開と自律制御(約18ヶ月)
主要変電所への展開を進め、変電所AI間のメッシュネットワークを有効化します。既存の自動開閉器システムとのAPI連携を完了させ、配電の自律制御を段階的に開始します。
- Phase 3 ── 全域展開とMEC事業化(約15ヶ月)
対象エリア全域の変電所への設置を完了し、スマートメーターの全数接続による自律運用へ移行します。あわせて、余剰エッジ計算リソースの外部提供(MEC)のサービス開始を支援します。
PoC規模(メーター台数等)は個別設計です。
PoC受入基準
- 需給予測誤差 MAPE 5%以下(既存予測モデル比)※PoC受入基準
- 外部へのパケット漏洩ゼロを実測検証(閉域網内処理)※PoC受入基準
- 無停止設置の完了※PoC受入基準
PoCはシャドーラン(既存システムとの並行稼働)で実施し、実配電制御は行いません。受入基準を満たさない場合の中止判断を含め、評価条件を事前に合意します。
PoC・導入のご相談
まずは、止めないPoCから。
注記
- ※ 本ページの記載は、システムの設計・構成に関する説明であり、特定の攻撃の不成立、またはセキュリティ事故の不発生を保証するものではありません。